FUNKIST

 「ずっと休んでた(フルートの春日井)陽子ちゃんが復帰して、7人のFUNKISTになる。そんな特別な瞬間を、長崎スカイジャンボリーのステージで迎えたかったんです」とボーカルの染谷西郷がステージ裏で熱を込めて話してくれた少し前。FUNKISTは彼ら自身が熱望した稲佐山のステージに、7人で立った。昨年のスカジャンでは春日井は病気療養中だったためにFUNKISTは6人でのパフォーマンスだったけれど、この日、ついに7人での活動を再開。「どうしても出たかった」とスカジャンへの愛を口にした西郷の想いに応えるように、ステージ前のモッシュピットは凄まじい数のオーディエンスが待ち構えていた。その景色を見た瞬間のメンバーの表情を、きっとこの日、稲佐山に集まった人たちは忘れないだろう。だってそれは文字通り「喜びに満ちた顔」だったのだから。そんなFUNKISTのライブは彼らの代表曲とも呼べる『BORDER』から始まった。全ての楽器がリズムを刻む。そしてびっしりと人が集結したスタンディングエリアのみならず、山の斜面で立ちあがる人たちも、軽快なビートにじっとしていられなくなりステージ前へと押し寄せる人たちも。誰もがみなステップを踏み、声をあげて命のビートを刻んでいく。大きな塊となったビートが長崎の空へと立ち昇っていくのを感じた。昨年の初出演の際は「FUNKISTって誰?」だの「休憩時間だよね」だのと事前に言われながらも、ライブでオーディエンスを虜にしていった高いパフォーマンス力と心に響く歌を持つ彼らと共に楽しむために、これだけの人が踊っている。それこそスカジャンが生んだ“愛”。大きく手をあげ、暑さなんか関係ない!とばかりに会場が一体となってタオルを回した『ムーンライズカーニバル』では本当に風が巻き起こるほどの盛り上がり。1年1カ月ぶりの7人勢ぞろいのステージは、このイベントへの出演やテーマである「愛」が決まる前に出来たという『愛のうた』で“ひとつ”になる。ドラマティックで優しく、そして雄大な大地を感じさせる大きな愛情が宿るこの曲をメンバーが一体となって奏でると、自然と肩を組み始める稲佐山のオーディエンス。愛を知るスカジャンの観客だからこそ、共に愛を歌えるのだと思っていると空から雨粒が落ち始めた。いつも以上の暑さとなったこの日のために、空が水分を与えてくれたのかもしれない。涙雨ではなく、癒しの雨。それも『愛のうた』で降り出したのはなんとも感慨深い瞬間となった。「太陽の向こうまで行こう!!」と西郷の声と共に鳴り響くラストナンバー『SUNRISE』。灼熱の太陽のごとき熱さをグルーヴに乗せて放つ熱いパーティーチューンにメンバーも観客も今の瞬間のパワーの全てを込めて、踊る。ギラギラ照りつける太陽に負けずに踊って歌って騒ぎに騒いだ、FUNKISTとスカジャンを愛する人たちとの宴だった。

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REDEMPTION 97

 やっぱり夏の青空にはスカがよく似合う。しかもスカジャンの常連でもあったPOTSHOTのRYOJIとKEMURIのTSUDAが手を組んだバンドとあってはスカジャンのステージの盛り上げ方だってよ〜くわかっているってものだ。それくらいに1曲目から飛ばしに飛ばしたのがREDEMPTION 97。『Crisis To Exist』の軽快なスカビートに軽やかで伸びやかなRYOJIの歌声が響きだした瞬間から、稲佐山のそこかしこで小刻みにステップを踏むオーディエンスの姿が。まるでダンスフロアと化したスカジャンの会場には笑顔の花が満開になる。続いて『Stand Up Now』ではステージと観客が一緒に声をあげて空を仰ぎ、カラフルなキーボードの音が聴衆のハートをも彩っていく。共に歌う声も大きくなり、先ほどまでのロック色を払拭。スカジャンはREDEMPTION 97が鳴らすスカパンクの匂いでいっぱいになっているような気すらする。3曲目は『Precious Thing』。百戦錬磨のライブアーティストが勢ぞろいし、結成後すぐに稀代のライブバンドへと急激な進化を見せた彼らの、今やライブの代名詞とも呼べるこの曲ではイントロのギターが鳴り響くなり「Oi!Oi!」と大きなコールが起き、モッシュピットは大騒乱。暴れまくる人の渦の上をダイブする者も出て、ステージ前はヒートアップ。駆け巡る快活な音に聴いているだけでパワーが漲ってくる。暑い、熱いとバテでる場合じゃないぞ、これは。踊らなきゃ。ステップ踏まなきゃ!と気持ちを奮起させてくれる、そんな1曲が夏の空に広がっていく。
 「はじめましてー!REDEMPTION 97です〜!でも言わせてもらうぜ〜!帰ってきたぜ〜〜〜〜〜っ!」と大きく手を振るRYOJIに地鳴りのような大歓声で応えるオーディエンス。もちろんその歓声は客席の人たちだけではなく、FM長崎の関係者、スタッフをはじめとしたイベントを支える全ての人の声でもある。スカジャンを愛してきたメンバーが一同に会するこの瞬間、スカジャンは愛に包まれていた。『Cinematic』『A Dance & A Beer』、『HANGING AROUND』と立て続けに響けば、巻き起こる砂煙はその色を濃くし、軽やかなステップによる地響きもライブのテンションと共にご機嫌なビートを刻む。極上パーティーチューンの『Good Friend Good Music』で稲佐山にスカ・パーティーの風が吹き荒れたところで、Ken Yokoyama BandからギターのMinamiが呼びこまれる。「こんな暑い日にとっておきのことするよ。曲を知らなくても乗れるから楽しもう〜!」とRYOJIの声で『Do the Right Thing』。ピースでハッピーなこの曲を会場は一体となって歌いあげた。そしてラストにはサプライズナンバーが!RYOJIが高らかに叫ぶ。「5年ぶりに来たから、カバーやっていくわ!」。そして響きだした歌声に会場は歓喜の渦。なんとPOTSHOTの『CLEAR』だ。夏空を席巻するフェスには似合いすぎるくらいの珠玉の一曲で稲佐山の興奮は最高潮に。やっぱり彼らはスカジャンによく似合う。そんな歓喜と興奮のステージが幕を閉じた。

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