スカジャン スペシャルレポート
   
   
     
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PE'Z

時々うす雲がかかったり心地よい風が吹いたりと、日中が例年に比べて快適な天候ということもあってか後方の芝生エリアで気持ちよさそうに過ごす人々が目立つ。つくづくうらやましいと感じる。一方ライブエリアも定期的にスタッフが霧状の水をまいているのを気持ちよさそうに浴びている。あぁ俺もハジケたい。。。そうこうしている間に次のバンドのセッティングが完了した。

6番手はジャンボリー初ステージにして長崎初ライブのPE'Z。5人揃って夏らしく白を基調とした甚平(?)での登場。
「稲佐山のステージにPE’Zはふさわしいとずっと思ってたんだよね」そういう声を開催前によく耳にしていた。実際そう思っていた人は多いはず。

「ジャンボリーではベスト選曲で挑みます」と大山さんが話していた通り、序盤から「花咲くDON BLA GO!」→「春疾風〜ハルハヤテ〜」と耳なじみの曲が続く。

ただ耳なじみとはいえ、明らかにCDで聴くのとは違う“ライブならではのダイナミックさ・スケール感”を肌で感じる。
特に5人全員が想像を絶するほど抜群のプレイスキルで楽器を演奏している姿、それだけで既に最高のエンターテイメントなのだ。

豪快でありながらもタイトに刻むドラム、曲を引き締める正確無比なベースライン、歌のないインストの楽曲だからこそ歌心を込めるようにメロディを奏でるサックスとトランペット。非凡なメロディセンスで楽曲に彩を加えるキーボード。
その5つの音が絡み合う極上のサウンドと見惚れるほどのプレイに、要所要所で拍手と歓声が起こる。

ジャム的な(不安定な)要素や無駄な音を一切入れず、必要なものだけをプレイしているから複雑難解にならず、セクシーでスリリングな楽曲が成立する。
これほどまでに完成度の高いパフォーマンスを見たことがない俺は強烈な衝撃を受け、気がつけば興奮しっぱなしでライブが終了。

本格的に世界を視野に入れた活動をスタートさせたPE'Z。今後は言葉の壁・国境を超え、この日の稲佐山のように多くの人々を熱狂させることだろう。
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サンボマスター

まずレポートを書く前にこう断言しておこう。
「この日のサンボマスターのライブを文章で伝えることは不可能である。」
文字を並べれば並べるほど内容が陳腐化しそうなので、簡潔にまとめよう。

昨年に続き2度目の登場となるサンボマスター。この1年間でライブパフォーマンスにより磨きがかかった。楽曲も増え多くの人が注目するようになった。
その結果、ライブエリアには彼らのステージを一目見ようと想像を絶する人数のオーディエンスが!

「平和の街・ここ長崎に、ロックをやりにきたわけですよ!!」と大声で宣言する山口さん。それに観客は雄叫びにも似た歓声で応える。
そしていよいよライブがスタート。「戦後60周年の、平和の街・長崎に、歌声よおこれ!!」と大地を揺るがすように「歌声よおこれ」が稲佐山に響き渡る。

ギターを爪弾きながら即興で歌っているように語る独特のMCが曲と曲の間を繋ぐ。一言一言噛みしめるように言葉を紡ぐ。
ギターのリズム・メロディにあわせて手拍子がオーディエンスから送られる。すると「ありがとう。でもその手拍子は僕たちのためじゃなく、60年前に起きた悲しい出来事で命を奪われた人たちのために送ってくれないか。」と言葉をかける山口さん。
俺が言ったら説得力のない言葉も彼が言うとグッとくるのはなぜだろう。言葉1つ1つが心にささる。

「オレは今まで“愛と平和”を歌うのが恥ずかしかったし怖かった。でもこんな時代だから、今だから歌わないといけないと思った」と話し、終戦記念日の前日にここ長崎で演奏された「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」。曲中盤では“愛と平和コール”が!この言葉が空を越えて世界中に届くことを誰もが願っていたことだろう。

最後の「月に咲く花のようになるの」まで、まばたきすら惜しい30分間。
むき出しで、爆発的で、リアルで、絶叫で、全てをさらけ出しで歌う姿は美しくて…これほどまでに魂がこもった歌を唄われると心が揺れ動かないわけがない。ただただ胸にあふれてくるものに、涙を流す者も。

伝説として語り継がれてもおかしくないほどの今回のライブ。音楽の持つ限りない可能性と強烈なパワーを再認識させられた。
「今こそ愛と平和を」サンボマスターは俺たちにそう語りかけた。
  サンボマスター
 
サンボマスター
 
サンボマスター
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