会場の空気が変わった。風の向きはロックフィールドから少しばかりエレクトロのフィールドへ。なぜ“少しばかり”なのか。
それはこの夜のBOOM BOOM SATELLITESのセットリストがロックフィールドに限りなく近いものだったから。前夜には修善寺で開催されていたテクノフェスティバル・METAMORPHOSEに出演していた彼らが今日は並み居るロックバンドたちとの出演。
そんな彼らのロックな面を滲ませるライブは『EASY ACTION』からスタート。
機械で響かせるビートとパワフルな生ドラムとで叩き出すヘヴィなビートが稲佐山公演にこだまする。川島のボーカルが照明に照らされたオーディエンスを煽る。
ドコドコと内臓をも揺さぶるほどにラウドなビートは彼らのファンはもちろん、彼らを初めて見る観客をもBOOM BOOM SATELLITESのヘヴィなグルーヴの渦に巻き込んでいく。
続く1曲は『MORNING AFTER』。川島のハイトーンボーカルが重く響くビートと重なり、エレクトロな音の粒子と共に空へと昇っていく。そのエモーショナルな歌声に会場からは「Oi!Oi!」の声があがった。
気がつけば会場はダンスフロアへと変貌し、ロックに特化しているとはいえダンサブルなビート感にオーディエンスは夢中でステップを踏み続ける。ドラムにベースにギター。生々しいバンド演奏とエフェクトをかけたボーカルが熱を帯びる『Dig
The New Breed』ではアガるフロア(野外会場とは言え、その熱狂の様子はもはやフロアと呼べる様相だったので、敢えてフロアと書こうと思う)は一体に。
言葉を挟みこむことなく『Intergalactic』が鳴りだす。テクノとロックンロールとが顔を出すこの曲は彼らがバンド然と音を奏でる1曲。メロディアスな歌を奏でる川島とオーディエンスを煽る中野の動きから目が離せなくなる、そんなナンバーだ。
ラストはCMソングとして音楽ファンのみならず多くの人に知られる『KICK IT OUT』。
印象に強いイントロが響いただけで大歓声が起こり、オーディエンスがテンションをあげる。アタックの強いリズムとギターのカッティング、そしてループするベースの音と叩きつけるような川島の歌声に、稲佐山が揺れる。ベースを手にした中野がステージ前方まで飛び出せば、彼の紡ぐビートに合わせて観客も高く跳ねて応える。川島も頭を振り乱し、オーディエンスと共に熱を放出していく。
夜空へと駆け上がる熱気に「ありがとう」とシンプルに言葉を投げかけ、彼らはステージを降りていった。
「今日のライブは、僕らにとっても挑戦だったんですよね。
こういうメンツでのライブは比較的珍しかったですから。
だから意識してロックのセットにしました」と川島が言うと「初めて出会ったお客さんだよね。あまり触れることのなかったフィールドに触れられた感じがします。だから大変でしたよ」と中野。それでもSky
Jamboreeは楽しかった、とのこと。
ジャンルレスなアーティストの共演をたった1日で楽しめるSky Jamboreeだからこその出会いをファンもアーティストも楽しめたライブだったんだな、と痛感したステージだった。 |