KEMURI

 1999年のSky Jamboree創設に寄与し、9年もの間FM長崎と共にイベントを支えてくださった最大功労者=KEMURI。KEMURIとしての出演は今年で11回目ですが、2010年に《B》津田紀昭は「REDEMPTION 97」として。2011年には《Vo》伊藤ふみおと《D》平谷庄至は「伊藤ふみおソロバンド」としてそれぞれ出演していることをカウントすると、稲佐山の光景を最もよく知る彼らはまさに”レジェンド”!
前夜に長崎入りしたメンバーと談笑させていただいた際、伊藤ふみおが「もう16回か、長く続いているって凄いことだね。未だに1回目の光景はよく覚えているなぁ。」と。そして「今年は原点回帰といえるような、面白いライブになると思う。」と伺い、ファン歴16年の筆者は前日から期待が膨らみっぱなしで彼らの登場を待ちわびていました。

16時を過ぎたころDJ YUYAのバンド紹介を受けて7人が入場。さすがレジェンド、姿が見えた瞬間から大歓声!「皆さんこんにちは、KEMURIです!Sky Jamboreeへようこそ!まぁ、ぼちぼち。楽しんで帰ってください(笑)準備いい?OK, Let’s Go!」
ふみおのスピーチから、まずは再結成後に発表された『Standing in the rain』がスタート。パワーコードを主体としたギターと、力強いブラスセクションに象徴される攻撃的なナンバーで、1曲目からライブエリアは大暴れ!ふみおがお馴染みのエビ反りジャンプを、《Sax》コバヤシケンもハイジャンプを決めながらの熱演!
アルバム「ALL FOR THIS!」の曲順どおり、2曲目は『Mr. SMILING』をプレイ。軽快なSkaカッティングとランニングベースが実に心地よく、リズムに合わせてオーディエンスはタオルをぐるぐる!いったん曲が終わったかのように感じるブレイクのところで、ふみおが一言「最高!」と素でつぶやくほどの会場の盛り上がり!

「多分、短い人生のなかで、限られている自分に与えられた素晴らしい景色のうち、今日はベスト5には入る光景だと思います。どうもありがとう!KEMURIを初めて見る人もそうじゃない人も、うんざりするぐらい楽しんで帰ってください。」と感謝を述べたあとに続けて、「1曲みんなに送りたいと思います。今日の景色が最高のものだとすると、やっぱり最悪の景色というのもあるんだよね。その1つが”差別”だと思う。人種差別は最悪。ぜひ、今日ここに来たみんなは1日に5秒ぐらい、そのことについて考えてもらいたいと思います。16年前に作った歌ですが、また声を大きくして歌う必要があるんじゃないかと思って、今日”長崎”という場で演奏させてもらいます。」そう話して突入した曲は、98年の名盤「77 Days」から『HEART BEAT』!リフもバッキングも間奏も、全体的にどのパートも演奏がシンプルなぶん歌が真っすぐ入ってくる楽曲。肌の色や血の違いによる差別、それに起因する戦争や憎しみをストレートに歌ったKEMURI流のピースメッセージ(ぜひCDを手にとって歌詞を読んでいただきたい。)平和の街・長崎にふさわしい1曲!

続けて1stアルバム「Little Playmate」から『Knockin’ On The Door』!ギターとベースがユニゾンするリフ、サビをもり立てる華やかなホーンアレンジが印象的。曲名にちなんで、ふみおがギタリスト:Tの頭をコンコンとノックするチャーミングな仕草も(笑) 立て続けに初期のナンバーが演奏され、昔からのファンは歓喜!!

「この歌を歌うためにもSky Jamboreeに来たいと思うよ。歌えたら一緒に歌ってください。」と口調で語りかけてから、リバーブがかったスカヒロユキのトロンボーンから激しいサウンドに展開してゆく『白いばら』へ。2003年にツアー中の事故で急逝した元メンバー:森村に捧げられたともいわれるこの曲。不撓不屈の精神で歌い続けていくという想いが宿ったボーカルが胸に響く!(演奏中、ステージ袖に置いている初代Sky Jamboreeプロデューサーの写真をメンバー側に向けてくださったKEMURIスタッフの心遣いに感謝…)

「後ろの人、大丈夫?もうちょっといける?まだいける?まだまだいける?まだまだまだいける?」お馴染みのMCでテンションを上げつつ、みんなが待ち望んでいた『PMA』へ!!庄至ならではのドラムサウンド(抜けのいいロートタムの音、腹にズシっとくるバスドラム)と、3管のハーモニーを聴きながらのSkaダンス。足下が悪くても関係ない、最高に気持ちいい!やっぱり長崎の夏にはこの曲がなくちゃ!といった感じの大盛り上がり!

「あと2曲でーす!」というふみおの宣言に続いて《G》田中’T’幸彦がBmコードをSkaカッティング。1stアルバムから日本語歌詞の人気曲『Ato-Ichinen』。イントロで次の曲に気づいた血気盛んなファンは「♪母さんの手を握りしめ〜♪」と歌う最中にわらわらと肩車を始め「あと1年!!」の瞬間一斉にダイブ!(※ダイブは禁止行為です。) 雲を突き抜くようなMITCHYのトランペットの音色もたまらない!そう、彼もまたSky Jamboreeをよく知る人物。(KEMURIのサポート以前に、POTSHOTメンバーとしても何度となくこのステージに出演。) サビの「あと1年!あと1年!」では、人差し指を立てながらの大合唱!

最後の曲の演奏前に、共演者・SJ関係者、DJ陣、会場のお客さんへの御礼の言葉と、12月にツアーでやってくることを紹介するふみお。そして「”No time to cry. 泣いている暇なんてないんだよ。 Why don’t we try. 挑戦し続けようぜ。” そういう曲をみんなにも、自分たちにも送って終わりたいと思います。」と、サビの歌詞を引用してからトロンボーンとギターのイントロが流れてきて『Prayer』に突入。ライブ前、白の無地Tシャツの胸元に”SKA”という文字型を黒のガムテープで貼っていたふみお。それも剥がれてしまうほどの激しいステージアクションと汗!オーディエンスもメンバー同様元気にジャンプジャンプ!紹介にあった歌詞をコーラスするところで、ステージ下手からサプライズのゲストが乱入!なんと元メンバーで現在KEN BANDのギタリスト:Minamiが、津田のマイクにコーラスで急きょ参加するというファンにはたまらないシーンが!!

ふみおの”原点回帰”という言葉が見事に言い当てているとおり、初期ナンバー盛りだくさんの30分間!後半に機材トラブルでスピーカーから音が出なくなるハプニングも少々あったものの、バンドもオーディエンスもそんなのお構いなし、PMAの精神でひたすら楽しむライブとなりました!年齢を重ねた今のほうが、解散前より更にアグレッシブになっているというのが驚異的!17年前の曲と最近の曲を並列しても何の違和感も無い、芯のぶれないSKA PUNK。次は10月リリースのアルバム「RAMPANT」とライブハウスツアーで体感してください!

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