
16時を回ったころから肌に刺さるような日差しが弱まってきて、随分過ごしやすくなってきた。暑さが峠を越したお陰で、よりライブに集中できる!
名曲の数だけ、のめりこんでステージを楽しみたい。そんなアーティストの登場前にこんな天候になるなんて、何とラッキーなことだろう!
16:40 白シャツとネクタイで揃えた4人=the pillowsが登場!
ライブエリアには年齢・性別問わず、実に幅広い層のファンが押しかけている。
長い活動のなかで、絶えず新しいファンを獲得してきている彼らならではの光景だ。
『オーイェー!』というシャウトから1曲目「LITTLE BUSTERS」がスタート!ライブ序盤を飾ることの多い定番ソングだけに、みんな拳をあげて飛び跳ねてとフロア大揺れ!
シンプルな手数ながら表現力豊かなシンイチロウさんのドラムに、“第4のメンバー” 鈴木淳さんのベースが絡む。
持ち前のセンスで独創的なフレーズを繰り出し、サウンドに表情をつけるのは真鍋さん。心地よい歪みのクランチギターが野外にハマることこの上なし!
そしてギタリストとしてジャンプしながらギターをかき鳴らし、ボーカリストとしてピロウズをピロウズたらしめるその声で、曲に魂を吹き込むさわおさん。
会場内の全ての人が“ロックンロールをしたがっている”ことを確信した4人は、続けてアッパーチューン「ROCK’N’ROLL SINNERS」をたたみかける!(30分ステージでこの選曲には意表を突かれたファンも。)
『ボクらの前に出たバンド、ビークルとかが終わって帰ってくるわけだ。それがもうとんでもない汗だくでな(笑)。“これからボクたちあそこに行くんですか?!”って感じだけど、みんなも1度も日陰に入らずロックンロールで楽しんでるわけだ!最後までヨロシクです!』と、笑わせつつもロックンロール宣言で一致団結させるさわおさん。
チューニングも整ったところで一言『出たばかりの新曲を。みんな知ってる?』
返ってきたリアクションの少なさに『アレ??聞かなきゃよかった(笑)』と苦笑いつつも3曲目「Ladybird girl」へ!
ピロウズ流のPOPセンス満載の、誰が聴いても共感できる普遍的なラブソングにオーディエンスも気持ち良さそうに体を揺らす!(この盛り上がりから察するに、みんなちゃんと曲をチェックしてますよ!さわおさん!)
そのまま流れるように、ファンなら誰もが涙する名曲「Funny Bunny」へ。この曲に惚れてファンになる人も多いという感動のナンバーだけあって、生で聴くとグッとくる!特に男性のシンガロング率が高い!
曲明けのMCでは、トリビュート・アルバムで「Funny Bunny」をカバーしていた「ELLEGARDEN」に関して『どうでもいい話なんだけど…』と、ドラム高橋さんの“名前の呼び方”が話題に(笑)
ステージも後半に差しかかり5曲目「スケアクロウ」へ。イントロから歓声が!サビに向かって徐々に高ぶっていく極上のミディアムチューンを、夕日のタイミングで聴くこの瞬間。何と幸せなことか!!
新旧織り交ぜた最高のセットリストが続くなか、バンドは「サードアイ」をプレイ。シンプルなイントロから入りつつも、4人の音が重なった瞬間に強大なロックに変貌するピロウズらしいナンバーに、これまたファンは興奮! さわおさんが両手でギターを掲げると、フロアから自然とハンドクラップが起こり温かい空間に。
そして最後は代表曲「ハイブリッドレインボウ」!サビの突き抜けたメロディにあわせて、みんな手をあげて大合唱!!
バンド、オーディエンスともに完全燃焼のライブパフォーマンス!彼らにもまた、アンコールを求める拍手が会場に鳴り響いた。
18年間というキャリアが生み出す堂々たる風格。バンドサウンド、プレイスキル、ステージパフォーマンス、選曲、どれをとっても文句なし!そして何よりこのマジックに衝撃を受けた。
CDではメロディアスな楽曲を、ライブでロックにする。
誰もが敬意を表して“ポップロックモンスター”との称号を与える理由が存分に理解できる30分間だった。
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