スカジャン スペシャルレポート
   
   
     
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ELLEGARDEN

正直言って、この時間帯に出演するアーティストはおいしい。
暑さもピークを過ぎているうえ、日が沈みゆく具合で夕暮れ〜宵の空までのグラデーションを楽しむことができるから。
18時を まわったこの時間帯を今年盛り上げてくれるのは、みんなお待ちかねのELLEGARDEN!

各楽器のスタンバイが完了したな、とぼんやりステージを眺めているところにフラリとメンバー全員が登場(笑)サウンドチェックがてら「Pizza Man」をプレイ!

そのままYUYAさんのバンド紹介を挟むことなく『ハイこんばんは!ELLEGARDENと申します!』の挨拶から、1曲目「Gunpowder Valentine」に突入!
唐突なライブスタートにも動じず、みんな手を上げて、歌って、ジャンプしてと最初からハジけまくり。しかしこのオーディエンスの状況を見て(vo/g)細美さん『何だよ長崎、お前ら思ったより元気ねぇなぁ。』
『TVの前でライブ観てんじゃねぇんだから、傍観者気取ってのんびりしてんじゃねぇぞ!』と、彼らしい檄を飛ばす。

するとどうだろう!?3曲目の「Fire Cracker」からは大暴れ!お客さんの熱がバンドにとっては何よりの刺激。この勢いに『ヤベぇ!アガるな〜稲佐山〜!!』とテンションあがるメンバー。

ELLEGARDENファンを見ていてしみじみ思う。
英詞/日本語詞に関わらず、オーディエンスがどの曲もしっかり歌えているし、曲の展開を熟知していて盛り上がりのポイントを心得てライブを楽しんでいる。
これは“楽曲”が純粋に評価されている何よりの証拠といえる。
「Space Sonic」「Salamander」「Supernova」でも、やはりみんな大声で歌って、サビの爆発にあわせて大ジャンプ!!

オーディエンスへの感謝の気持ちを連呼しつつ、MCで音楽への情熱、野外フェスティバルに関して思うこと、今後の活動への決意表明などを語る細美さん。

この頃から次第に空が暮れはじめ、ステージの光が一層強く感じられるようになってきた。
MC後の「ジターバグ」から照明のキラキラ感とサウンドがマッチ!オーディエンスも残り時間わずかということで、ラストの「Red Hot」まで燃え尽きる勢いで暴れまくる!

夏フェスの連戦、加えて猛暑ということもあり、多少の疲れはあったはず。
しかし98年の結成からひたすらライブで鍛え上げていったバンドだけに、この日のステージでも全てをぶつけてきた彼ら。
その感動と興奮を伝える大歓声が、次のライブへと進みだす大きな原動力となり、踏み出すその1歩1歩がHi-STANDARD、KEMURIのように既存の音楽業界をかき回すアクションとなることだろう。


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KEMURI

当たり前のことが当たり前でなくなる、この時間をできることなら迎えたくなかった。
Sky Jamboreeのスタートから9年。小学校に入学した子どもが中学を卒業するまでの期間に相当する年月を、ともに歩んできた最大の功労者=KEMURIの長崎ラストステージ。

会場ではファン有志がバンドへのメッセージを託した“のぼり”を準備している姿も。しかし解散発表後もアルバムのリリースがあったことや、12月までツアーが行われること、前日のリハーサルやメンバーの表情も今までと変わりがなく「本当にこれが最後になるのかな?」と自分の中でピンとこないままライブの時間となった。

19:15、会場にSEが流れ始める。「楽しみにしてたよー!」と言わんばかりに早速oi oiコール!KEMURIタオルを掲げたり、後ろのオーディエンスもステージに手を振るなど、メンバーの登場を温かく迎える。

『Sky Jamboreeに来てくれてありがとう。最後まで残ってくれてありがとう。』と感謝の気持ちを伝える(vo)ふみおさん。
『まずは1発、明日に向かって元気にいきましょう!』と1stアルバムから「NEW GENERATION」でスタート!ふみおさんのジャンプが象徴するような躍動感あふれるバンドサウンドに、1曲目からオーディエンスも壮絶な盛り上がり!サビのコーラスも会場全体で大合唱!

同じく1stから、イントロのトロンボーンが胸にグっとくる「PRAYER」を続けてプレイ。これにはファン歴10年の僕を含め、活動初期からのファン悶絶!
解散の事実を受け入れたうえで「後悔しないように精一杯エンジョイしよう!」というオーディエンスのポジティブな姿勢に、ふみおさんも心から満足したような笑顔をみせる。

休まず3曲目には最新アルバムから「KAMISAMA」。(この曲で聴かせる南さんのギターカッティングが個人的にツボ!)
KEMURIサウンドの核となるホーンセクションを(Sax)コバケンさんと一緒にばっちりキメてくれるのは、高校時代にKEMURIのコピーバンドをしていたという最年少の(Tb)須賀さん、そして元POTSHOTの(Tp)MITCHY。
さらに定番の「オオイチョウ」では、『一緒に歌おう』というふみおさんのMC通りみんなでシンガロング♪

軽くチューニングをはさんで、『もうちょっと踊れる?』との掛け声から「GO! UNDER THE SUNSHINE」へ。軽快なテンポで、これが実にSKAダンスに合う!
この曲が収録されたオリジナル・ラストアルバム「our PMA」を聴いて、そして今日のライブを見て、“KEMURIは今、バンドとして一番脂ののったプレイをしている”ことを確信。

新旧織り交ぜたセットリストのなかで、個人的に嬉しかったのが6曲目の「TINY SQUARE ROOM」。名盤「77 DAYS」に収録されているナンバーで、巧みなビートチェンジがありながらも踊りやすく、コーラスもしやすい曲。オーディエンスと一緒に自分も楽しみながらステージを見つめる。

ライブ前に長崎ラストステージであることが実感できなかったのは、KEMURIのライブで悲しみの涙を流す自分の姿を想像できなかったからなのかもしれない。“とにかく楽しい”という感情が優先されるのだ。

全く湿っぽさを感じさせないままライブも大詰めへ。
客席から「KEMURI最高!!」という声が上がると、それに呼応して『本当に最高。本当に最高!』とふみおさん。9年間立ち続けたステージやそこから見える風景もこれで最後となるが、寂寥感というよりも満足感に包まれていることがうかがい知れる。

“皆様と「最高な最後の一年!」を創りあげ燃え尽きること”を掲げる彼らがラストナンバーにセレクトしたのは、Sky Jamboreeでも過去8回欠かさずプレイされてきた代表曲「PMA」!!“生ならでは”の一体感で創りあげる強大なエネルギー、これは文章や写真ではとても伝えることができない。

ライブが終了してもその場から動かず、ステージに“ありがとう”と拍手・歓声を贈るオーディエンス。会場にこだまするその拍手がに呼び戻されて、メンバーが登場!
しかも7人に加えて10-FEETからタクマさんがギターで、BEAT CRUSADERSからヒダカトオルさんがコーラスで参加しての「Ato-Ichinen」!!
さらにサビではELLEGARDENの細美さん、10-FEETのナオキさん、元POTSHOTのRYOJIさんまでコーラスに飛び入り(笑)!ふみおさんのジャンプをマネするヒダカさんをはじめ、誰よりもステージ側が一番楽しそう!!

飛び入りゲストの皆さんが去ったあと、さらにもう1曲!バンドの充実度を表したようなナンバー「I’m So Satisfied!」をプレゼント。ふみおさんと霜田さんがタオルを回すと、最後までトコトン楽しみ尽くそうとお客さんもグルグル!

アンコールの2曲も終わり、ライブの終演を告げるように場内をライトが照らす。それでも帰ろうとせず拍手を続ける人々。楽器だけが残されたステージを呆然と眺めながら、自分もしばらく手を叩く。
…すると予想外なことにメンバーが再々登場!!雄たけびに近い声をあげて喜ぶライブエリア!

『SKAはスカっとした音楽だから、スカっと楽しんで最後にしましょう!』と話し、Sky Jamboree史上初となるダブルアンコールに「Beautiful World」をプレイ!
8時間に及び繰りひろげられたライブステージのフィナーレは、形容するならまさに“遊び心”!共演のバンドマンがわんさかステージに乱入!(多すぎて確認不能)
ステージ、客席ともに踊りまくる姿、そしてライトに照らされた笑顔が何ともビューティフル!!

彼らの長崎ライブを、この音楽の祭典を、そしてSky JamboreeとKEMURIとの歴史を締めくくるに相応しい正真正銘のラストナンバーとなった!

KEMURIをはじめとする全10組の素晴らしいアーティストと共に歓喜した時間。音楽が好きで集まった人々との出会い。カタチがないからこそ、ずっと心に携えておける“かけがえのない財産”だ。音楽を好きになって本当によかった。

最後に。胸いっぱいの感動を、ポジティブに生きる勇気を与えてくれたKEMURI、ありがとう。


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