10-FEET
17:30
ヤバい!SEが鳴り出しただけで条件反射で泣きそうになる。陽の光に照らされた時間に10-FEETを迎えるオーディエンスが頭上に掲げるのタオルの美しさ。10-FEETの文字は当たり前だが、当日出演したバンド、アーティスト、Sky Jamboreeのタオルが天高らかに掲げられている。丘の上までギッシリと掲げられたタオルに現在の10-FEETに対して、どんだけの期待と楽しみをオーディエンスが抱えてこの場にいるのかが、くっきりと目に見える。
メンバー3人でガシッと拳を合わせ「ぶっ飛ばしていきます」と、≪Vo./G.≫TAKUMAが軽く挨拶し『ヒトリセカイ』。歌い出しからキラキラしたまなこと、何千という手のひらや拳の数。「こっから一切喋らへんくらいの感じでいくわ(笑)、もう、このライヴで死んだる。だから早めに言っときます、スカイジャンボリー、FM長崎、ほんまありがとうございます!…有森さんの処へ!」
≪Vo./G.≫TAKUMAのMCから、絞り出すようなエモーショナルな歌声と、誰もが絶唱しながら拳を挙げずにはいられない『その向こうへ』。気持ち良く一瞬の横ユレから攻撃的に爆走!熱いクラップの一体感が高ぶる『ハローフィクサー』、SKAレゲエと圧のあるロックテイストへの自由度の高い、遊びがたまらない『helm’N bass』。
「音楽とバンドにめちゃ助けてられてます。嫌なことがあったとき、音楽やバンドがポジティブに変えてくれたら。とか。どん底の中にいるときに聴いた曲が自分の中で名曲になって残ったりするし、無駄になってない悲しみや苦しみをネガティブなまま過ごさないようにしてくれる…。さぁ、じゃあいこか!『蜃気楼』!」≪Vo./G.≫TAKUMAと、10-FEETと共に、 “Oh!Oh!Oh!”と大声で重なり合うシンガロングがとても眩しい。次は≪Ba./Vo≫NAOKIが全身で叫ぶ。「スカイジャンボリー、最高だ!楽しんでけよーっ!!」。
もはや、言わずもがなの『第ゼロ感』のイントロが流れると稲佐山が大きく揺れた。ここまでの今日イチのシンガロングとフロアの密度は、現在の10-FEETの頼もしさの象徴ともいえる。凄まじい!見渡す限りの爆発的なフロアの盛り上がりが物語っている。「カッコ良くなれよ、お前ら!優しくなぁ~。優しくカッコ良く。純粋な子どものとき、本気になったら空飛べたりカメハメ波本気で出ると思ってたよな。今の自分の年齢なりに最大限なるべく純粋にいれたらいいな。優しさは想像力。友だちや恋人や家族にとって最高のエエ感じのヤツでいれてるか!今、アイツ何て言われたら嬉しいかな?とか、今、何も言わんと横にいてやれればいいかな、とか、そういう純粋さとかカッコ良さ忘れんなよ!絶対今日も楽しいヤツだけじゃない。楽しいヤツはもっと楽しくなって帰ってくれ、今日も絶対悔しかったり悲しかったりするヤツはおる。でもそんなこともどうでもよくなる、絶対!…
最後の1曲!『VIBES BY VIBES』!」声の限り≪Vo./G.≫TAKUMAのシャウトのような言葉と、煽りまくる≪Ba./Vo≫NAOKI、ドスの効いた≪Dr./Cho.≫KOUICHIのドラムの音が稲佐山中に響き渡る中、カオスとなって荒れ狂うフロアの波はもう誰も止められない。「また来いよー!SUPER BEAVER、ELLEGARDEN後はたのんだーっ!」。
自分たちのスタイルを貫き通し、19回目のスカジャンをHOMEの様に楽しみ、頼もしい存在感を示してくれた最高な3人だった。