10-FEET

19:45
Sky Jamboreeへの出演は20回/25回!もはやMr. Sky Jamboreeとして供にここまで歩んできてくれた彼らには、愛と感謝とリスペクト!
忘れもしない…、初回の登場はオープニングアクト。今ではヘッドライナーを務めるというFM長崎と切っても切れない盟友、我らが10-FEET!

日本の夏は陽が長いとはいえ、この時間となれば真っ暗な稲佐山。壮大なSE 『交響組曲 ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』が放たれた瞬間、暗闇にパッと光が点灯し、会場全体が誇らしげに"10-FEET"のタオルを掲げた人・人・人。
さらに思い思いに自分の思い入れのあるバンドのタオルを掲げた人も含め、いつもながらフロアはもちろん、会場の坂いっぱいに広がるカラフルな景色は本当に絶景だ。
ゆーっくりと現れグータッチを交わす3人と、キラッキラした瞳で待ち構えるオーディエンスの数たるや。フロアはパンパンすぎて、脇の坂道まで人が溢れかえっている。

「20回目いくぞ!絶対ケガすんなよ、約束な。こけたヤツがおったら起こしてやれ。いつもよりちょっと優しく強くあれ、お願いします。絶対ケガせんといてほしいけど、ケガする寸前までいこか(笑)。」≪Vo. / Gt.≫TAKUMAのシャウトで始まった『その向こうへ』。
はい。瞬殺でフロアはヤバいことになりました。"その向こうへ!"の覇気さえも伝わってくるシンガロング。からの間髪入れず『1sec.』、『helm'N bass』。"え!? そしてここで!"たたみかけるように 『第ゼロ感』。
怖い!怖い!!怖い!!!くらいに、中盤でボルテージをMAXまで引き上げられたオーディエンスの気合の入り方たるや。
『第ゼロ感』でオーディエンスを一旦MAXに連れていったくせに、10-FEETのズルいトコ。お人柄満載のユルいMCが…。

≪Dr. /Cho.≫KOUICHI「スカイジャンボリー25周年やって、おめでとうございます」、≪Ba. / Vo.≫NAOKI「俺ら20回目やてスカジャン。たくさん出さしてもうろうてあっりがとうございます!」。ちゃんと祝ってくれてありがとう…。
話は移り、≪Vo. / Gt.≫TAKUMA 「さっきTOSHI-LOWくん(BRAHMAN)、俺らが一昨日のフェスで時間押したって(※BRAHMANのライブレポート参照)言ってたけど、俺ら押したの15秒だけやんな。だから今日は袖でBRAHMANの時間を図ってたんだけど、1分40秒押したから(笑)。しかもそのフェスで、あのインチキ鬼は自分らのとき、さっき10-FEETが15秒押したから俺ら3曲削ってますって(笑)。めちゃめちゃ責任感を感じさせようとしてくるのよ、あの鬼は。で、押したことをそんなに怒ってんのかなって思って確認したら "15秒押してくれてありがとう、おいしかった"って(笑)。それと13年前の海に放り込んだくだり(※BRAHMANのライブレポート参照)あったやんか、それで(スカジャンに)出れんくなったってヤツ。俺、真横で見てたのよ。俺は自分から飛び込んでく方やったからTOSHI-LOWに放り込まれんかったんやけど、みんながどんどんUFOキャッチャーみたいにTOSHI-LOWに海へ放り込まれってって。そんときの打ち上げがDragon AshのKjとTOSHI-LOWは初絡みだったんよ。KjともTOSHI-LOWとも仲良いの俺くらいだったから、"これは今日は忙しいぞ"て思っててん(笑)。ほんなら海にTOSHI-LOWがKjを放り込もうとした途端、Kj、自分から飛び込んでったんよ。よっぽどTOSHI-LOWのことが嫌やったんやろうな、ちょっと沖の方まで泳いで逃げてん(笑)。沖の方まで行ってたらTOSHI-LOWが自ら飛び込んでKjのとこまで背泳ぎ気味に寄っていきよって。俺、近くにいたらKjにしか聞こえないくらいの声のデカさで"Kj一緒にバンドやろうぜ"って(笑)。あれから13年経ってるじゃないですか、あかんかったんやろなっていう(笑)。」
Sky Jamboreeの伝説的噂話が具体的に回収され、スカジャンLOVERSとしては大満足な25th Anniversaryだ。

打って変わり、「今日は8:30まで時間をもらってるんでギリギリまで演るから。俺らのライブは予定調和じゃなくて、ほんまに自分が良いと思ってくれたらノッてくれたらいいし、あんま良くなかったら帰っていいし(笑)。ほないくで。」≪Vo. / Gt.≫TAKUMAが「12341234!」と雄叫びを上げギターをかき鳴らすと大歓声の中『RIVER』がスタート。オーディエンスも大きな渦描き、グッチャグチャに盛り上がり、さらにとどめの『ハローフィクサー』。本気で言葉を、音楽を味わっているメンバーとオーディエンスの純粋な姿がここには確かにあった。
すると「ほんまはここで終わる予定やってん。でもさっき転換が押したんやな。だからちょっとだけ、その分だけ押してもいいんやないですか?て言われて…。いいんスか?ほんまに大丈夫?BRAHMAN何も言ってきません(笑)? じゃあ何にする?」
3人が顔を見合わせながら音を合わせだした。フロアはそわそわざわざわしている(笑)。
「まずは1曲演るわ。んで、とりあえず曲が終わったらもう1曲何がいいかお前らに聞くわ。」
ギターが鳴り出し≪Vo. / Gt.≫TAKUMAが静かに「部活の引退だとか仕事辞めるときとか、結婚式とか泣いてまうときあるやんか、泣くとき思い出すことって良いことじゃないねんな。良いシーンじゃないねんな。何かを乗り越えて節目で感動して泣くときって、不思議とそんなに良いことって思い出さない。良いこと思い出して泣かない。だいたい、いちばんしんどかったときを思い出します。それが結局俺らやお前らのいちばんの感動になってくわけだから…。だから今も泥まみれの悲惨な状況のヤツ、いつか絶対その形変わるから。どうか粘って、諦めんといて、だましだまし乗り越えて、また、ライブハウスで会いましょう!じゃあお言葉に甘えて2曲だけ演らしてもらいます、『蜃気楼』!」

彼らと同じく、ご褒美をもらったオーディエンスは今日イチのエネルギーを出し切るかのように10-FEETの3人に喰らい付いていく。熱っぽい歌い回しに撃ち抜かれ、最後の最後になってしまった…。「ラストどっちがいい!『VIBES BY VIBES』?『CHERRY BLOSSOM』?『VIBES BY VIBES』?『CHERRY BLOSSOM』?『VIBES BY VIBES』?『CHERRY BLOSSOM』?」どちらの歓声も同じくらいの熱量の"Yeah!"がステージに戻ってくる。
選ばれたのは『CHERRY BLOSSOM』だった。美しくタオルが宙を舞いながらの壮観な眺めと、絶対的なシンガロングでこの日の大団円を迎えたMr. Sky Jamboree。終演したとしても鼓膜の奥から音が聴こえてくるような余韻を感じた音楽だった。