Sky Jamboree 2025

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SPECIAL REPORT

BRAHMAN



18:40

晴天に恵まれた日のスカジャンのマジックアワーとでも言おうか、夏の遅い夕方から夜にグラデーションのように移り変わる時間。空の色はグレー、夕日に照らされた処が赤く染まる景色の中、真っ暗なステージを青いライトが照らしている。
ブルガリア民謡『Molih ta, majcho i molih』のSEが流れると臨戦態勢でさらに前へ前へと進む猛者がギラギラした顔で待ち構えている。



開口一番≪Vo.≫TOSHI-LOWが「世間を問え、社会を問え、政治を問え、自分自身を問え。80年前の8月9日を問え。『鼎の問』。」 静かに唱え、張り裂けそうな感情を込めたBRAHMANの大切な歌から久ぶりのスカジャンのステージが始まった。



続けて『THE ONLY WAY』。「13年ぶり!もう二度と呼ばれねぇと思ってたスカジャン、呼んでくれてありがとう!お返しは全身全霊全力で!ブラフマン始めます」。一瞬で大きなうねりができ、オーディエンスが波うっている。
立て続けに『賽の河原』、『露命』、『SEE OFF』と、息をするのも忘れるような、エモーショナルな歌声と激しいバンドの音が鳴り響き、呼応するようにフロアもヒートアップしている。 ≪Gt.≫KOHKIのギターのリフが始まると一斉に手拍子が始まり、また新しい興奮が始まった。『BEYOND THE MOUNTAIN』から『順風満帆』、『ANSWER FOR…』、『charon』へと続き、フロア前方は超絶危険地帯と化している。

「2日前、別のフェスで今日とは順番が逆で、10-FEET、ウチ(BRAHMAN)だったわけ。そしたら10-FEETが持ち時間をすげぇ押すっていう大変なことをしてくれた。大変な大迷惑をかけてくれた。だから今日は代わりに45分押そうと思う。45分押したらいつも温厚なTAKUMA(10-FEET)もガチギレすると思う。多分俺が帰ったら壁際にドンッされて、チョーパン(頭突き)してくると思うんだな。でもそれを俺は読んでるから頭突きがくるなってトコに肩から入ってオーソドックスからサウスポーに入れ替えて、オーバーハンドでTAKUMAの顔に付いてる唇を“ブッ(引っ張るゼスチャー)”って。で、そのまま山を下山して海に投げ込む。…あら?デジャブかな?



あれは13年前のスカジャンの打上げだ。酔っぱらった俺はうっかりDJマークやTHE BAWDIESのJIM、そしてDragon AshのKJを海へ投げ飛ばした。良いコのみなさんに言っとくよ、海に人を投げ飛ばしてはいけない。なぜなら!13年も稲佐山の土を踏めなくなる。たまたま誰もケガもなくなんもなかったから今こうやって笑い話にできてるけど…。あのころの俺は人と仲良くなるのに荒れ狂ってたわけさ。別に言い訳する気もねぇし許してくれとも思っちゃいねぇけど、今の俺は違うよ。(友だちに)なんかあったら"どうしたんだ? 1杯やるか?"、"なに落ち込んでんだ、朝まで飲むか?"。プライド?過去の栄光?何にも関係ねぇよ。年齢、年代、ジャンル、そんなもん何も関係ねぇ。俺たちが生きてんのは現在(いま)だろ。だからごめんな、許してよ。その代わり今日を最高の夜にすっからさ!『今夜』を。さーっ!歌えーーーっ!!」
途中、歌詞の"あの街"を"長崎"に変えてくれたり、10-FEETのNAOKIのバースデーを祝ったり、愛に溢れたオーラスではBRAHMANの違う顔を見せてくれたような抒情的で温かいバラードで〆た。



BRAHMANの熱狂的なLIVEは耳や目や頭で楽しむだけではなく、心と体が浄化され心が解き放なたれる感覚を受ける。この日のスカジャンのステージも間違いなく、その最高峰ステージだった。

SET LIST

1. 鼎の問
2. THE ONLY WAY
3. 賽の河原
4. 露命
5. SEE OFF
6. BEYOND THE MOUNTAIN
7. 順風満帆
8. ANSWER FOR…
9. charon
10. 今夜