ASHURA

 オープニングアクトで登場したのは“闘うビジュアル系”と名高いASHURA。SE『CRASH』でステージという名のリングにあがる。彼らのリングインへの強い信念と想いを感じさせる登場だ!闘う場所を求め、楽器を手にし、リングと同じく、異種格闘技戦とも呼べる闘いの場である稲佐山のステージへとやってきた彼らの姿に、後方にいた観客も続々とステージ前へ。

 「長崎ーーーーっ!!稲佐山ーーーーーっ!!」いきなりのハイキックで魅せたボーカルのMAGUNAMU BODY JUNが声をあげると、モッシュエリアから歓声が湧いた。

 そんな彼らの、20分一本勝負は『鬼武者』からスタートした。9年間、スカジャンの前哨戦である前夜祭に出演し続けた彼らのライブとあって、オーディエンスも歓喜の声をあげている。頭を振り、轟くビートに高く手を挙げて応える観客の姿、そして景色は彼らの目にどう映っただろう。JUNが叫ぶ。「元気があればーーーーー!?」。すると観客も叫ぶ。「何でも出来るーーーーー!!」。憧れ続けた稲佐山のステージに立ち、夢を叶えることを体現した彼らは声を響かせた。「夢は叶います!」と。ラストは『女死刑囚…蠍』で締めたパフォーマンス。リングの中のレスラーが繰り出す技のひとつひとつが、“起承転結”の“結”に説得力を与えるためのものであるように。彼らの曲も、与えられた20分という一本勝負の、最後の一音への美しい流れであったな、と感じた。オープニングアクトなんて言わせない。ダークマッチなんかじゃない。
 そんな気迫のパフォーマンスがきっと、次は本番開始後に見られるはず。また彼らの熱いマッチを稲佐山で見られる日を期待したい!

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SHANK

 長崎が生んだ3ピースのメロコアバンドが地元のフェスのトップバッターを飾るとあって、ステージ前には人、人、人!SEが流れただけで、稲佐山名物の天然スモークこと砂煙が舞い上がってしまう。モッシュエリアには肩車されたファンも歓声をあげ、準備は万端。「待ってました」といわんばかりの空気が充満していた。そんな熱を帯びたオーディエンスに迎えられたSHANKの3人は、その景色に応えるように高く手を挙げて、ライブがスタート。メンバーもイントロからジャンプしてテンション全開放な『Keep on Walking』が晴れ渡る空へと広がっていく。加速する軽快なギターのリフが山肌を駆けあがっていく様に、「Oi!Oi!」と声は後方からも響きだす。Vo&Baの庵原将平とGtの松崎兵太のハモニクスがそのコールと共に伸びていく。気がつけば1人、また1人とタイブするキッズの姿が。
 「この土地に生まれたことを誇りに思います」と庵原が告げると、会場からは同意の声。長崎のキッズもそう感じているのだ。彼らの音楽は長崎の誇りである、と。続いて『Knockin’ on the Door』へ。緑の山肌からしゃぼん玉が舞い、前方では砂ぼこり。これぞ稲佐山の風景だ、というその様を眩しそうに見やるメンバーたち。手拍子に大合唱、と観客と一体となって響く歌に、彼らがどれほど長崎で愛されているのかを感じた瞬間だった。
 「めっちゃいい天気やんね。2003年にお客さんとして観に来て。それから夏が来るたびにこのステージを夢見ていました」と話す庵原。今、ここで見ているキッズの中にも、近い将来、稲佐山を沸かせるアーティストがいるかもしれない。そんな予感をさせた後は『Cigar Store』へ。ドラムもベースもギターも。ステージから音が撃ちこまれる。心を逸らせるメロディと歌声が昇っていく。振り上げられる拳もビートを担っているようだ。さらにイントロのギターのカッティングが印象的な『Good Night Darling』では後方のオーディエンスも体を揺らす。5曲目で鳴らされた『Grimy Window』のリズミカルさには、モッシュエリアにいた子供たちも、笑顔でピョンピョン跳ねて楽しんでいた。
 「こんな日がずっと続きますように」。祈りにも似た言葉に続いたのは『Prayer's hand』。この曲をじっと聴き入る観客たち。祈りを込めた1曲は静かに会場の想いをひとつにした。ラストは『Long for the Blue moon』で長崎のバンドのパワーを魅せつけた彼ら。
 「長崎にバンドが少ないって言ってました。そんなことはないよ。いいバンドはいっぱいいるし、ライブハウスはいい音楽もいっぱいあるから、フェスだけじゃなくみんな見に行って下さい」という庵原の言葉を思う。長崎から全国へ。そして世界へ。稲佐山が見守る中、どんどん熱いバンドが登場するであろうことに心が躍る。そんなアクトだった!

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