HEY-SMITH

 稲佐山に集結した1万人の観客へ向けてYUYAが美声で呼びこみ、トップバッターのHEY-SMITHがステージにあがって、2013年のSky Jamboreeがいよいよ開幕。登場SEからクラップ音が響き、稲佐山は大歓迎の空気に包まれる。楽屋で既に服を脱ぎ捨てていたメンバーたちはハイテンションな様相でステージへと現れた。「踊れーーーっ!」と声を轟かせ『Endress Sorrow』の軽快なイントロが響く。今年は原点回帰のスカジャン。スカで幕を開けるスカジャンなのだ。モッシュエリアは畳み掛けるビートとホーンの音色に大歓声をあげる。爪痕残すように最初の一手を繰り出した彼らのライブは2曲目の『True Yourself』へ。軽快なビートとメロディックなコーラス、そしてヘヴィなギターリフに軽やかなホーンの音。彼らにしか一つにしえないメロディアスなロックチューンだ。「Wowow−!」と稲佐山1万人の声も重なり、会場の熱を上昇させていく。『The First Love Song』の軽妙なビートに踊り、躍った会場に猪狩の声が響く。
 「めっちゃ曇ってるぞー。めっちゃ過ごしやすいぞー。今日のこの日を楽しみにしてたわけやろ。天気なんかどーでもいい。自分のやりたいことをやりきって帰れよー!」
 そして曲はスピード感たっぷりの『Like A Gentleman』へ。一気に会場の熱をあげたところで『Jump!!』で稲佐山の大合唱を呼ぶ。
 「実はプライベートに遊びに来ていました。そのくらいこのフェスティバルを愛していました。どうしてもこの曲をやりたかったんです」
 そう言って奏でたのはあったかいムードに包み込まれるハートフルスカナンバーの『Family』。オーディエンスが思い思いにビートに乗る様子が微笑ましかった。続く『We Sing Our Song』では、いくつものモッシュサークルが出来て、オーディエンスは疾走し、泥んこ上等のモッシュ大会の様相に。弾ける元気とハッピーな空気に包まれた稲佐山で、空の切れ間にうっすら晴れた空まで見える。続いての『Download Me If You Can』ではヘヴィに響くギター、軽快なリフ、そして軽やかなメロディとホーンに踊る観客。途中のオーセンティックスカ香るパートでは心地よさに思わず空へと観客は手を伸ばしている。その様子を見つめるメンバーも嬉しそうにステージで表情を崩す。そして最後は『Come Back My Dog』。アグレッシヴでパンクな音が畳み掛ける中、こちらも攻撃的にホーンが絡み、圧倒的なスピード感でオーディエンスを興奮のるつぼに放り込む、そんな彼らのライブのマストチューンでHEY-SMITHのライブが終わった。ステージを降りて興奮さめやらぬ彼らは声を挙げ、最高、最高と何度も口にしていた。いつかあのステージへ。その想いを叶えたバンドがまたここに夢を叶えたのだった。

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