10-FEET

TAKUMAいわく「野外ライブでトリを務めるのが夢やって、それを叶えてくれたのが2006年のSky Jamboree。」

あの伝説的な大雨ジャンボリーから今年でちょうど10年。音楽業界の荒波に身を削られることなく、むしろバンドはますますタフに。(本番前バックステージで何度も何度もシャウトして声を仕上げていたTAKUMAの姿からも、自己研鑽の10年間だったことが垣間見えました。) そしてこの10年のうちに自身のフェス=京都大作戦を立ち上げ、国内屈指のイベントとなっていることは誰もが知るところ。この日も大作戦Tシャツやタオルを活用している人が会場のあちこちに!

お馴染みのSEが流れ出すと、一斉に10-FEETタオルを掲げて3人の登場を待つオーディエンス。この光景こそ、彼らが自らの力で(時に仲間の力に支えられながら)築き上げてきたもの。大歓声に包まれながらステージに現れた3人。いつものようにKOUICHIのドラム近くで拳を合わせスタンバイ完了!

今年の1曲目は【RIVER】
言わずもがなイントロから大歓声!サビではダイバー続出!(※禁止行為です)毎年歌われている曲ながら、今回初めて"中島川"バージョンにリニューアル。芸が細かい!
そしてギターソロ前とアウトロで「ありがとうございました、10-FEETでした。また会いましょう!」と、1曲で打ち切り宣言(笑)

もちろん開始4分でライブが終わるわけもなく、すぐさま【VIBES BY VIBES】へ!
「アンコールはじめますー!!」とTAKUMA。ピートタウンゼントみたいにウィンドミルでギターを弾いたり、Bメロ部分で「跳べー!」と一番後ろのオーディエンスまでジャンプさせたりと遊び心いっぱい!

ここでMCを挟むTAKUMA「Sky Jamboree!毎年出させてくれてありがとう!! Sky Jamboreeではいつも俺ばっかり喋ってるから、今日はKOUICHIがしゃべる時間をたっぷり設けてきたから、KOUICHI!今日は思いの丈をみんなにぶつけてくれー!」と、突然のフリを受けたKOUICHI。

「えー本当に、えーSky Jamboree。あのー、本当に13回、ありがとうござ...(ワウギターのイントロスタート)」と、MCを遮って次の【その向こうへ】に突入! 笑
NAOKIの鮮やかなジャンピングハイキック直後「その向こうへ!」とサビを大合唱!バンドを代表する1曲とあって、ダイブの数も圧倒的!(※禁止行為です。)

立て続けに【1sec.】に流れ込み、イントロで「おーい、Sky Jamboree!!毎年来てるから知ってるぞ!!お前らもっとできるだろー!!かかってこいやー!!見せてみろー!!」と挑発。WANIMAで体力を使い切ったオーディエンスもこの言葉で再ブースト!ライブエリアの盛り上がりは最高潮に!(間奏でさりげなく「有森さーん!見てるか?ありがとう!」と、初代プロデューサーへの言葉を挟むTAKUMAに個人的に感銘...)

大量の汗を拭うこともなく、歪んだギターを弾きながらメロディをつけてMCを始めるTAKUMA。「ぶっ倒れないよう水分補給はこまめに。でもこないだ京都大作戦に出てくれたストレイテナーのステージドリンクを、僕は全部飲みました。飲み過ぎ、水分の取り過ぎでも倒れます。お腹を壊します。」と笑いを誘いつつ、ギターの音色と声色が徐々に柔らかくなっていく。

「みんな仲良くやってますか?イライラしてませんか?色んな価値観がある中みんながそれぞれ楽しめてたらいいな。おっきい声で歌ってる人がウザかったり、暴れてる人が横にいてウザかったり。そりゃライブハウスやフェス会場に行くと色々あります。でもアンタも一人一人、色んなことが毎日があって。色々ある中、なんとか今日にたどり着きました。

いつもやったら後ろで静かに見たい人も『今日は前に行ってめっちゃ暴れたろうかな!』って思って慣れない暴れ方をすると、ぎこちなかったり下手くそなときとかあるし。『いつもは暴れるんやけど今日は後ろでゆっくり見るつもり!』と思ってたら、ついめっちゃ歌って。横の人に"お前の歌を聴きにきたんじゃねえよ"って迷惑がられたり。そりゃ色々あるけれども、みんな...色々あるでしょ?色々あるねん、きっと。

楽しみたい気持ちはみんな持ってます。でもこういうところにくると、その楽しみたい気持ち、想像力がついつい自分の主観ばっかりになります。もしあなたの周りで、"この人、なんかすごい気持ち悪い顔して。気持ち悪い踊りを踊って。気持ち悪い声で歌ってる。おまけに変な匂いもするし..."っていう人がいるとき。"まぁでもこの人も色々あったんやろうな、めちゃくちゃ大変やったんかもしれんな。身内が亡くなったり、失恋したかもしれんし。"って。多分みんなに色々あると思うねんな。そうやって想像力でライブは何倍にもなることがあります。

上手く泣けない人は、自分のことじゃなくて友達や周りの人にイメージを合わせたら、歌がいい感じに入ってくるときがあります。言葉や理屈で何かを伝えたいのは山々なんだけど。言葉でしか伝わらんことやのに、たまに言葉が邪魔して伝わらないときがあります。んん...、なんでや!!言葉足らずでもっと勇気をもって伝えられたら。でもなかなか出来ずに、たくさんたくさん人を傷つけてきました。歌はいっつも言葉足らずで、必要最低限を力強く伝えてくれるから好きです。」

この言葉から始まった【アンテナラスト】
誰もダイブすることなく、歌い出しから歌詞をしっかり受け止めるように聴き入るオーディエンス。サビでは拳をあげてメンバーと共に熱唱!

「ごめんなさい、とか。ありがとう、とか。あれ俺が悪かった、とか。好きです、とか。ちゃんと決めなアカンとき、短くしっかり男らしく、女も男前に決めろよ!」 そう言って最後の1曲【goes on】へ!
隣の知らない人とのハイタッチを提案したり、ちょっとしゃがんでからサビで大ジャンプをさせたり。オーディエンスを1つにさせようと曲中に色んな要素を盛り込んだTAKUMA。最後の最後まで「毎日色々あるのはしゃあないけど、今日ぐらいはご褒美や!楽しんでいけよー!!仲良くな!!」と、融和を呼びかけてライブ終了! サッカーに例えるなら試合後のユニフォーム交換のときのような、全力を出し切ったあとの清々しさがメンバーとオーディエンス双方の表情に現れていました。

勢いあるWANIMAからのバトンを受け取ることができたのも、次のストレイテナーへと繋ぐことができたのも10-FEETだから成し得た業。 最多出演バンドが魅せた貫禄の30分間でした!!

photograph by Yuki KATSUMURA

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