KEMURI

10-FEET同様、今年で12回目の出演となるKEMURI。どんなに回数を重ねても、同じようなライブは一度もない…むしろ、回を重ねるごとにより攻撃的になってきている印象さえある彼ら。今年の出演前にこう語った伊藤ふみお「Sky Jamboreeは自分にとって、自分たちにとっての誇りであり、宝物のような存在。今年も全力でぶつかり、ぶっ壊れに行きたいと思う。」
その意気込みを正面から受け止めようと、ファンがライブエリアに密集!

NOFXの軽快なSKAナンバーをSEに、3年連続変わらない顔ぶれでステージに登場する7人。今年もバンドスタッフが舞台上手、下手にそっと置いてある有森勝郎(初代SJプロデューサー)の写真をメンバー側に向けて見送るなか、左手にシールドをぐるぐる巻いて「まだ踊れる?もうちょっといける?OK!Everyone, Let's go! 」とのふみおの一声から、ライブは『SUNNY SIDE UP!』で幕開け。青空での開催を祝福するようなHAPPYなナンバー!曲調にあわせて万歳ポーズの両手を右に左に。河村光博(=MITCHY)もトランペットを吹かずに万歳ダンス!

大きな歓声に包まれながら、須賀裕之のトロンボーンで始まる2曲目『O-zora』へ。シンプルなドラム&ギターとランニングベース。その軽快な裏打ちビートにのって、コバヤシケンも楽しげにスカダンス。田中'T'幸彦も独特のTステップ(勝手に命名。その場で駆け足するような感じのステップ)で気持ち良さそうにカッティング。そして歌詞にリンクするように、空を指差しながら伸び伸びと歌うふみお。7月に出たばかりの新曲ながら、オーディエンスの盛り上がりも最高!(レギュラー番組"Noise for the Radio"でバッチリ予習してきたのでしょう!)

再結成以降の充実した活動を物語るような2曲を続けて演奏し、短めのMC。
その冒頭で長崎のDJ陣に拍手を!とふみお。KEMURI以上の出演回数となるDJ 3名(RYUJI, OG, V-FIGHTER。皆勤賞!)に労いの一言をかけ、感慨深い表情で「17年目だね。KEMURIを結成して今年で20年になりますが、まだKEMURIという名前も長崎Sky Jamboreeもなかった時代に作った曲を演奏したいと思います。目を覚ませよ!自分に向かって歌った曲です。一緒に歌えたら歌ってください。Let's go everyone…New Generation」

KEMURIサウンドの影の立役者=明朗なロートタムの音、ゴリゴリのパワーコード、古くからのファンである筆者はイントロから鳥肌立ちっぱなし!青空のもと響き渡る、3本のブラスセクションの音色も絶妙!得意のエビ反りジャンプも繰り出し、まさにぶっ倒れる勢いで歌い上げていくふみお。ファンもコーラスをしっかりシンガロング!

オーディエンスにも全力でぶつかってくることを求めるように、ライブエリアの端から端までを直径とする大きいサークルを作って踊ってください!と提案。ファンもすぐさま大きな輪を作るべく動き始め、「本当にこういう景色、誇りに思います。そういう曲です!」とプレイされたのは「I am proud」!Skaカッティングなし、パンク色の強い曲調とあってサークルの流れが早い!土煙を舞わせながらみんな大疾走!ただ、ライブエリアの構造上(柵があるため)1つの大きな輪にならず複数のサークルとなってしまい。
そこでもう1度「1つの大きな輪で回れる?」と伝えてから、最新アルバム収録の「WIND MILL」へ。2度目のチャレンジは限られたスペースを上手に利用して、横長ながら1つのサークルが完成!そんなライブエリアだけでなく、芝生エリアも自由に身体を揺らして楽しそう!イベントコンセプトでもある"野外のライブハウス"を具現化したような、まるで90年代のライブハウスみたいな光景が広がった瞬間!(※ただしSky Jamboreeはダイブ、モッシュ等禁止しております。)

曲終わりで一礼、その直後「Let's go!Tさん!」と、Tの鮮やかなギターカッティングから「Ohichyo」に突入!絶妙なタンギングで躍動感を出すコバケンのSaxが印象的。演奏中お尻をフリフリしたり、歌舞伎の六方みたいな動きをしたり、ふみおの動きが実にチャーミング!(笑)人気の日本語曲だけに、サビは拳をあげて大合唱!

演奏が終わってからも歓声が止まない状況で、お馴染みの煽動MC「まだ行ける?!まだまだ行ける?!まだまだまだ行ける?!」で沸点に達したところで、伝家の宝刀『PMA』!!1998年に発表され、Sky Jamboreeでは一度もセットリストから漏れたことがない鉄板曲。これを聴かないと夏を締めくくれない!ライブエリアがごった返すのはもちろん、芝生エリアもスカダンサーだらけ!ステージ袖にまでビリビリと伝わってくるほど盛大な"ウォー・オーオー!"コーラスで会場が一体に!

オーディエンスから惜しみない拍手が送られるなか、スタッフや共演者への感謝を伝えるふみお。そして「今日、go!go!vanillasからBLUE ENCOUNTなど、ずーっとみんなのライブを見させてもらって。やっぱり…Sky Jamboree大好きです!」と愛ある一言が。さらにMCは続き、「今年こうやってまたSJに出られたことを本当に嬉しく思うし。で、何よりも嬉しいのは今日ストレイテナーが(ジャンボリーで)初めてトリをやるっていうこと。ただ、テナーまで体力残さないで、あと1曲やるから。ぶっ壊れて帰って!さっきよりもでっかい輪を作って!Let's go!」

Tのカッティングが鳴り始めた途端に大きな歓声が上がるほど、誰もがピンときた最後の曲は『Ato-Ichinen』。三度目の正直、ここでチャレンジしたサークル作成はついに大きな1つの輪に!その完成を祝うように「あらら、こららで、あと一年!」の瞬間に大爆発!ポップコーンを加熱したかのような暴れっぷり(笑)曲の中盤コバケンが"最後は一緒に歌おう!"と、共演者を誘いにステージ袖へ。それに応えてTAKUMA&茂木、両サイドに飾ってある有森写真を手に舞台へ登場!バンド、オーディエンスともに最高潮に達し、レジェンドのステージが終了!

再結成に伴うインタビューでたびたび"石の上にも三年"という言葉を口にしている伊藤ふみお。解散前の活動をご存知の方であれば、そのスローガンがいかに的を得ているかお分かりでしょう。再結成後3回目、戦後70周年の今年は最も人間力みなぎる貫禄のライブでした!

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