YUYAによって「最もセクシーなバンド」と紹介され、大歓声の中へ姿を現したのは髭はもちろんセクシーでホットなライブで魅せつける。ミラーボールなんてない野外の稲佐山なのに、ミラーボール輝くダンスホールにいるかのような空気で会場を包み込んだのは1曲目『テキーラ!テキーラ!』だ。全ての楽器がリズムを刻むこの曲では観客もクラップでリズムを生みだし、須藤のボーカルが楽しげに跳ねる。一気に会場の空気を変え、そしてグルーヴに取り込むのはさすが!少し涼しさを感じていた稲佐山が熱を帯びる。轟く音の渦に踊るオーディエンスの姿に煽られ、アクションがどんどん大きくなっていくステージのメンバーたちは続いてこれまたご機嫌のダンスロック『ロックンロールと五人の囚人』を鳴らしだす。イントロだけで体が動く。シートエリアからも続々観客がモッシュエリアへと向かってくるのが見えたのか、バンドのテンションもアガっていくのを感じる。そして『ギルティは罪な奴』へ。幾重にも重なるギターのリフが誘う髭(HiGE)の世界。そんな厚い音層で聴かせるからこその独特のグルーヴのあるアッパーなロックンロールに、観客は軽やかにステップを踏み、笑顔で踊る。屋外ダンスホールと化したこの稲佐山で、ステージから放たれた音さえも、意思を持って観客と共に楽しんでいるように感じてしまう不可思議な髭(HiGE)の世界。 「Sky Jamboreeは6年ぶりで、その時はすごい高い気温をマークしていたと思いますが、こういう日も楽しみましょう」と声をあげた須藤。そしてライブは『ボーナストラック』へ。クルクルと回るモッシュサークルが盛り上がり、ハッピーなグルーヴに稲佐山が包まれる中、何度も同じ場所で歌詞を間違えてしまう須藤。ハッピーな空気そんな失敗を笑い飛ばす楽しさが加わり、ライブならではのアクシデントにみんな思わず笑ってしまった、そんな時間となった。いつもなら砂塵が舞うモッシュエリアも、今日は泥んこエリアとなって、モッシュするオーディエンスのテンションを違う意味でアゲていく。「もうどうにでもなれ!」と弾ける観客に迎えられ、『ハリキリ坊やのブリティッシュジョーク2』は無数の拳の木立が並ぶその先に髭(HiGE)の面々が見えるという普段とは違った景色となっていた。「長崎はいつ来てもサイコー」と叫ぶ須藤の声に続き、歌うようなベースが轟き『Mr.アメリカ』が鳴り響く。「Oi!Oi!Oi!」と声があがり、熱を帯びるモッシュエリアへは終盤にも関わらず観客が押し寄せる。そんな熱い1曲のあと須藤が白く曇る空を見上げる。「いつかみんなで一緒に行こうよ。虹の向こう側へ」。みんなで虹を作るくらいの想いを込めて響かせるメロディとその珠玉チューンの感動に雷も誘われてしまった、そんなステージだった。

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