ONE OK ROCK

 ライブのはじまりを告げるSEが響きだした途端、稲佐山を震わせるほどの大歓声が起こったONE OK ROCKのステージは、圧倒的なパワーを放つライブとなった。初登場ながら、その登場だけでオーディエンスの興奮をいきなりMAXまで押し上げた彼らは、1曲目の『Never Let This Go』から、全てのオーディエンスの感覚という感覚、そして意識という意識を根こそぎ奪っていくほどのアグレッシヴな音を掻き鳴らす。先ほどは歓声で震えた山肌が、轟き、暴れまくる音によってまさに文字通りに“激震”するのを感じる。TomoyaのドラムとRyotaのベースが生み出すグルーヴ感たっぷりのビートに全身に切り込むようなエッジの効いたToruのギターが重なり、会場の熱は沸騰寸前までヒートアップ。メロディックなTakaの歌声が感情剥き出しながら凄まじいまでの生命力を宿し、会場を席巻していく。エモーショナルな音に、たまらずダイブする観客も続出。そんな様子にステージの4人もまた煽られているのか。頭を振り乱すToruのギターの音や右へ左へとステージを動き回りながら会場を埋め尽くす1万人の観客を見つめるTakaの声に滲む熱も上昇していくよう。凄まじいまでのパワーとパワーの応酬で、ステージ前は陽炎のごとき熱気が沸き、ゆらゆらと彼らの姿を揺らしていく。
 「ホテルの前では“今日はどうなるんだろう”ってくらいに雨が振ってたけど、みなさんの気合で雨は止んでましたーーー!!」とTakaの声に誇らしげな歓声が応えたところで、7月に発売したばかりの新曲『Re:make』が鳴り出す。ドコドコと鼓動を逸らせるリズムに「Oi!Oi!」と大きな声が起こり、立ちあがった無数の腕が、楽曲の力強さに視覚からのさらなるパワーを加えていく。一陣の風を思わせるギターのリフが響き、日頃の悩み、ストレス、その全てを吹き飛ばすほどの疾風ロックが会場の熱をグングン上昇。続いてコール&レスポンスで稲佐山をひとつにした『アンサイズニア』では、声と声が結ばれ、気持ちが重なる。その一体感を全身で楽しむモッシュエリアと同じく、芝生のエリアからステージを楽しむ観客も体を揺らして、彼らの音にアガっているよ、と応えていく。Takaのシャウトもそんなスカジャンのオーディエンスの熱さへの“アンサー”だ、と感じる。それはTakaの確信に満ちた表情からも伝わった。
 「楽しんでますかーーー!? 長崎Sky Jamboreeに出させてもらうのは、僕たち初めてです。今日は思いっきり暴れて、首振ってもらいたいと思います!」という言葉に続いて、彼らのライブも終盤へ。凄まじいまでのヘッドバンを呼んだ『NO SCARED』から楽器の音もボーカルでもヘヴィでラウドな叫びを感じさせるナンバーに続く『完全感覚Dreamer』へ。イントロのギターが鳴りだすと、オーディエンスの熱は天井知らずの上昇を見せた。
 スカジャンのオーディエンスの真の姿にONE OK ROCKの4人も笑顔。まだまだイベントに先があろうとも、1バンド1バンドのパフォーマンスを全身全霊で、余力なんて気にせず堪能するオーディエンスのエネルギーに応え、バンドもその熱を楽しんだ、そんなONE OK ROCKの稲佐山初ステージだった。

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THE イナズマ戦隊

 「長崎の人たちは、いつもスゲー温かくて熱い応援をくれるんだよなぁ」とTHEイナズマ戦隊の上中丈弥。だからスカジャンに来ると“帰ってきた”という気持ちが沸いて、ホッとするのだそうだ。そんなスカジャンで今回、オーディエンスの熱い反応や歌声以外にもイナ戦への熱い応援があった。それは稲佐山の自然。雨を降らせはしなくても、霧が天然のスモークとなってステージを覆い、その様子は非常に神々しい雰囲気となって目に映っていたのだ。そんなステージに「No.1!No.1!」と『バカ者よ大志を抱け』のイントロが響き、オーディエンスも天に向けて高く突き上げた指と“No.1!”の声でテンションをアゲる。超ド級のストレートパンチを繰り出すイナ戦独特のロックンロールに、皆、夢中で体を揺らす。それを見て会心の笑みを浮かべるメンバーたち。ナンバー1を獲りに行く。歌の通りにこの日のスカジャンのナンバー1を奪取するステージングで、3年ぶりにイナ戦が稲佐山に帰ってきた!
 「今日という一日を一緒に過ごそうぜ。エヴリバディ!! 愛してるぜーーっ!」の丈弥の声でライブは『ジタバタダンス』へ。人間味溢れ、泥臭いまでのメッセージはいつだって頑張る全ての人の人生歌。共に声をあげて、全力で謳歌する。アガったりヘコんだり。楽曲の中に日々のことを思わせる言葉が並ぶ。イナ戦の曲だけど、自分の歌。なんだかそんなことを感じさせるのだ。彼らの歌は、一万人の観客みんなの歌なのだ、と。
 「今日はオレが“生きてて良かった”っていう一日にしてやるから、ついて来い!!」の言葉通り、オーディエンスを扇動するように丈弥がモッシュスペースへと降りて声をあげた『Ban&An〜バカ万歳アホ万歳〜』で、ギターの山田武郎もベースの中田俊哉も、もちろん最後方にいるドラムの久保裕行も、大きく声をあげて会場との一体感を楽しんでいる。さらに『オマエ・がむしゃら・はい・ジャンプ』では芝生の上でライブを楽しむ観客も一斉にジャンプ!会場の隅々まで巻き込んでの“一体感ジャンプ”に稲佐山が揺れる。続いて長崎への想いを乗せるように歌いあげられたのは『長崎は今日も雨だった』のカバー。オーディエンスの声も丈弥の歌声と共に響き、大きな歌声となった後、丈弥は空を見上げた。「ビール飲みながら空で見てるおっさんに」。ポツリと告げて『応援歌』。空にいる有森氏へ。そして今、ここにいる全ての人へ。ハートを熱くする人生歌がこだまする。気がつけば、観客も空を見上げて共に歌っていた。一緒に届けよう、と言わんばかりに。力強い大合唱。拳が揺れる。聴こえてるか。有森さん。これがあなたが作ったスカジャンの愛だ。スカジャンを愛するバンドの歌だ。スカジャンに愛されるバンドの歌だ。そんな想いが稲佐山の心をひとつにした時間だった。
 「お客さんそれぞれが自分のフェスだと思っているから、熱が違うよね。戦っている感じというか。一瞬を逃さない感覚がある。だからこそスカジャンとオレらは合う気がしますね」と丈弥。バンドと観客が共に在る夏フェス。これからもイナ戦とスカジャンも共に在るに違いない!

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